40代からの社会福祉士・精神保健福祉士合格

40歳で勉強を始めて、42歳で社会福祉士・45歳で精神保健福祉士に合格した医療ソーシャルワーカーのブログです。

第25回精神保健福祉士合格体験記 第5回(受験対策テキスト選び)

 今回は,私が受験した第25回精神保健福祉士国家試験向け受験対策テキストについてお話しします。なお,3年前の2020年2月に第32回社会福祉士国家試験を受験した際に使用した,社会福祉士国家試験向け受験対策テキストについては,過去記事をご参照ください。

kinmokusei2007.hatenablog.com

1 精神保健福祉士専門科目の受験対策テキストがほとんど市販されていない

 今回は受験対策テキストについてお話します。

 「本が1冊増えると,合格が1年延びる」という古くからの受験格言があります。この格言にならい,使用する受験対策テキストを1冊に絞り込もうとしました。

 ところが,精神保健福祉士専門科目の受験対策テキストがほとんど市販されていないという問題に直面しました。全社合わせても全部で3冊程度しかありません。また,以下でも述べますが,いずれもイマイチな内容の受験対策テキストばかりです。受験者総数7,000人程度の非常に小さなマーケットですから,ビジネスとして成り立たない・良いサービスが生まれないというのは仕方がないのかもしれません。

 困り果てた末に,「社会福祉士の合格教科書2023」(福祉教育カレッジ)を受験対策テキストとして使用することにしました。また,補助的に「精神疾患にかかわる人が最初に読む本」(照林社)を使用しました。

 「本が1冊増えると,合格が1年延びる」という古くからの受験格言からすると,最悪の選択ですが,そもそも良い精神保健福祉士専門科目受験対策テキストがないという事情からやむを得ない選択となりました。

 精神保健福祉士専門科目の受験対策に「社会福祉士の合格教科書2023」(福祉教育カレッジ)を使用することにした理由は以下の通りです。

 まず,全国の養成校学生が皆持っているであろう「最新 精神保健福祉士福祉士養成講座シリーズ」(中央法規出版)または「精神保健福祉士養成セミナーシリーズ」(へるす出版)は,その分量から受験対策テキストとしては論外と考え,除外しました。

 次に,精神保健福祉士専門科目受験界では最もオーソドックスな「精神保健福祉士国家試験受験ワークブック2023 (専門科目編)」(中央法規出版)は,図や表が少なくて分かりづらく,私には無理と考え,除外しました。

 さらに,「精神保健福祉士 完全合格テキスト 専門科目 第5版」(翔泳社)は,内容が不十分かつ不正確であることなどの欠点が多く目についたため,除外しました。

 最後に,最も多くの受験生が使用しているであろう「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ専門科目2023」(中央法規出版)も検討しました。しかし,本書も受験対策テキストとしてはいまひとつと感じました。

 具体的には,あくまでまとめノートであり初学者が読んでも意味が分からない,知らない用語がたくさん出てくるが解説がなく逐一調べる必要がある,記述が不正確(たとえば,義務と努力義務の違いが不正確など),項目の単なる羅列が多いなどの欠点が多く目についたため除外しました。

 結局のところ,「社会福祉士の合格教科書2023」(福祉教育カレッジ)を使用して精神保健福祉士専門科目の受験勉強をしました。

2 精神保健福祉士専門科目の受験対策に,社会福祉士受験対策テキストを使って大丈夫なの?

 精神保健福祉士共通・専門科目受験生ではなく専門科目受験生なのに,なぜ社会福祉士の受験対策テキストである「社会福祉士の合格教科書2023」を使ったのか?と不思議に思われると思います。その理由は,以下の通りです。

 第一に,精神保健福祉士専門科目の範囲は,社会福祉士の受験対策テキストでほぼカバーできるからです。直近第24回精神保健福祉士国家試験専門科目過去問を実際に解いてみて,「社会福祉士受験勉強の復習で十分」と感じました。

 具体的には,社会福祉士共通科目の,人体,心理学,社会保障,障害者,低所得者,保健医療,権利擁護,同じく社会福祉士専門科目の社会調査,基盤と専門職,理論と方法,介護保険,就労支援,更生保護を復習しておけば,精神保健福祉士専門科目でも十分すぎるほど正答することができます。

 とりわけ,第25回精神保健福祉士専門科目では,社会福祉士受験で勉強する内容からの出題が例年に比べても非常に多く,結果として高得点することができました。

 これに対して,精神保健福祉士専門科目の受験対策テキストに掲載されているけれども,「社会福祉士の合格教科書2023」に掲載されていない知識は,精神専門科目問題66の選択肢1の医療観察法の鑑定入院期間だけだったように思います。

 もちろん,第25回精神保健福祉士専門科目では,これまでに出題されたことがない知識や最新のトピックを問う問題が少なからず出題されました。しかし,これらの知識は,精神保健福祉士専門科目の各社受験対策テキスト,「社会福祉士の合格教科書2023」のいずれにも掲載されていない知識でした。社会福祉士の受験対策テキストを使ったからと言って不利にはならなかったと思います。

 第二に,「社会福祉士の合格教科書2023」が精神保健福祉士共通科目の受験対策テキストとしてはもちろんのこと,精神保健福祉士専門科目受験対策テキストとしても優れているからです。上記であげた精神保健福祉士専門科目受験対策テキストよりも,まとめ方・説明の仕方が優れていると思います。

 第三に,私が3年前の2020年2月の社会福祉士国家試験に合格したときに使用していたテキストが,「社会福祉士の合格教科書2020」であり,馴染みがあったからです。過去に一度勉強した内容を復習するかたちになり,効率的に勉強することができました。

 なお,「精神疾患とその治療」の分野については,「社会福祉士の合格教科書2023」だけでは心細く感じたため,「精神疾患にかかわる人が最初に読む本」(照林社)を参考書として使用しました。本書は入門書にすぎませんが,精神疾患がイラスト付きで分かりやすく分類・説明されています。精神疾患とその治療分野で合格点を取るには十分な内容です。

 もっとも,「精神疾患とその治療」分野の問題であっても,第25回精神保健福祉士専門科目に限って言えば,「社会福祉士の合格教科書2023」の人体の分野に記載されている内容のみで十分に正答できました。