40代からの社会福祉士・精神保健福祉士合格

40歳で勉強を始めて、42歳で社会福祉士・45歳で精神保健福祉士に合格した医療ソーシャルワーカーのブログです。

第25回精神保健福祉士合格体験記 第7回(受講した受験対策講座)

 精神保健福祉士国家試験は,一部の秀才を除き,養成校カリキュラムの勉強をしているだけでは合格することはできません。養成校カリキュラムの勉強に加えて,別途,国家試験対策の受験勉強をする必要があります。以下では,国家試験対策に不可欠な国家試験対策講座についてお話します。

 なお,精神保健福祉士受験対策講座については,社会福祉士国家試験・精神国家福祉士国家試験に大学の命運を賭けている日本福祉大学のNFUライセンススクール(日本福祉大学ライセンススクール)のウェブサイトに受験界の著名な講座が網羅されています。講座情報が集約されていて便利ですので,よろしければご参照ください。

nfuls.nfu.co.jp

1 精神保健福祉士専門科目は良い受験対策講座がない

 第25回社会福祉士受験体験記 第5回(受験対策テキスト選び)では,精神保健福祉士受験対策テキストにはお勧めできるものがないとお話ししました。

kinmokusei2007.hatenablog.com

 せめて良い受験対策講座に出会いたいと思い,いくつかの精神保健福祉士受験対策講座を受講してみました。しかし,受験対策テキストと同様に,精神保健福祉士専門科目の受験対策講座もお勧めできる良い講座がありませんでした。受験者総数7,000人程度の非常に小さなマーケットですから,ビジネスとして成り立たない・良いサービスが生まれないというのは仕方がないのかもしれません。

 以下では,私が受講してみた精神保健福祉士受験対策講座の感想を述べてみたいと思います。なお,「第35回社会福祉士国家試験合格必勝DVD講座(飯塚慶子講師)」以外の講座は,スポット視聴・3~4倍速での流し視聴の後に視聴中止しており,しっかりと視聴して吟味した上での感想ではありませんのでご容赦ください。

2 福祉教育カレッジ第35回社会福祉士国家試験合格必勝DVD講座(飯塚慶子講師)

 精神保健福祉士専門科目受験生であるにもかかわらず,「第35回社会福祉士国家試験合格必勝DVD講座(飯塚慶子講師)」を受講して勉強しました。

 精神保健福祉士専門科目受験なのに,社会福祉士国家試験の受験対策講座を受講するなんてバカなの?と不思議に思われたと思います。

 しかし,精神保健福祉士専門科目は,共通科目の人体,心理学,社会保障,障害者,低所得者,保健医療,権利擁護,同じく社会福祉士専門科目の社会調査,基盤と専門職,理論と方法,介護保険,就労支援,更生保護でほとんどカバーできます。

 そして,上記科目を最もわかりやすく講義しているのが飯塚慶子講師だと思います。語呂合わせ等を多用することから,「試験合格のみを目的とした講師で全くもってけしからん」などと大学教授等から批判されることも少なくない飯塚慶子講師です。しかし,実は福祉の基本をしっかり理解することができる深い講義をされています。社会福祉士精神保健福祉士に合格した後に,はじめてわかると思います。社会福祉士国家試験受験対策としてダントツの人気を誇る飯塚慶子講師の講座ですが,精神保健福祉士専門科目の受験対策講座としても優良かつ有効な講座であると思います。

 ちなみに,私が3年前に社会福祉士に合格した際も,福祉教育カレッジの「第32回社会福祉士国家試験合格必勝web講座(飯塚慶子講師)」を受講しました。

kinmokusei2007.hatenablog.com

 社会福祉士受験から3年が経過し,最新年度版の同じ講座を再受講したことになりますが,第32回より講義時間が大幅に増え,ほぼ全範囲を講義で扱うように改善されていました。また,「教科書の使い方と国試勉強法」「過去問題集の学習法,模擬試験の解き方・復習方法」という講義が追加され,さらに充実した内容になっていました。これらの講義を視聴したほうが,私の合格体験記を読むよりもはるかに有益だと思います。

3 その他にはお勧め講座がない

 上記「第35回社会福祉士国家試験合格必勝DVD講座(飯塚慶子講師)」以外には,お勧め講座がありません。

 

(1) ふくし合格ネット 精神保健福祉士合格基本講座2022 専門科目のみ(海老澤浩史講師)

 精神保健福祉士専門科目の知識をゼロから解説する基礎講座として数少ない講座です。私のように,精神保健福祉士専門科目の受験勉強のために社会福祉士受験対策講座を受講するというおかしなことをせず,普通に精神保健福祉士専門科目の勉強するのであれば、本講座が無難かと思います。YouTubeでサンプル動画が公開されていますので、試みに視聴してみてください。

 海老澤浩史講師の講義も決して悪いものではなく,他の受験対策講座講師の講義や大学教授・専門学校教師の授業に比べればわかりやすいと思います。ただ,飯塚慶子講師のわかりやすさには残念ながらまだまだ及ばないというのが私の感想です。

 また,過去問演習や一問一答問題演習のeラーニングシステムも一昔前のレベルです。加えて,オフラインでは使用できないため,wi-fi環境がない場合は多くの通信量を消費します。

 さらに,有料オプションで印刷教材の申し込みができますが,送られてくる印刷教材がB4版のプリントをホチキスで綴じただけの粗末なものです。せめて製本してほしかったと思います。今後の改善をお願いしたいと思います。

(2) いとう総研 動画で覚える!精神保健福祉士国試ナビ2023(伊東利洋講師)

 市販テキスト「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ専門科目2023」で知識を確認し,その後にオリジナル過去問レジュメを使って当該範囲の過去問を確認するという形で講義が進みます。過去問演習講座と言ってもよく,中上級者向きです。基礎知識のゼロからの解説はほとんどありません。基礎知識は既に習得済みであることを前提に,知識の再確認と過去問での問われ方を確認していく講座です。知識ゼロの初学者はついていくことが難しいと思います。

 過去問検討・演習をしっかりと行いたい受験生にとっては良い講座だと思います。伊東利洋講師の過去問の分析力は秀逸です。ただ,割と単調な口調で講義が進むため眠くなります。YouTubeでサンプル動画が公開されていますので、試みに視聴してみてください。

(3) NFUライセンススクール 精神保健福祉士模擬試験を活用したポイント攻略講座

 ソ教連模試の復習を兼ねてZOOM受講してみました。3年前に社会福祉士を受験した際にも同じ講座を受講し,飯塚慶子講師が担当していて良い内容でした。しかし,今回受講した精神保健福祉士専門科目は担当講師が大学教授で,いまひとつの内容でした。

 同じ講座であっても担当講師によって講座の良し悪しが大きく変わると感じました。講座を受講する際には,講師を基準として選ぶのが良いかと思います。

(4) 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連) 精神保健福祉士受験対策講座2023

 有料の講座ですが,例年試験直前期の年末頃になると,YouTubeで無料配信されます。私は年末に気分転換のため,一部の講義をYouTubeで「ながら視聴」してみました。

 科目ごとに担当講師が異なり,受験対策専門講師ではなく大学教授や医師などの専門家が各分野の講義を担当します。学術的・実務的には面白い内容もありますし,例えば,2023年版「精神疾患とその治療」を担当された田村修先生(勤医協中央病院)の講義のように「ほほう」と感銘を受けたものもありました。ただ,試験合格という点ではあまり役に立たないように思います。

(5) YouTube動画

 多くの方が,精神保健福祉士の講義動画をYouTubeに動画をアップロードしています。福祉業界・福祉教育界の有名ユーチューバー達の動画も多くあります。しかし,福祉業界・福祉教育界の有名ユーチューバー達の動画であっても内容の誤りや不正確な点が多く,気分転換で視聴するのは別としても,受験勉強のために視聴するのはお止めになったほうが良いと思います。