40代からの社会福祉士・精神保健福祉士合格

40歳で勉強を始めて、42歳で社会福祉士・45歳で精神保健福祉士に合格した医療ソーシャルワーカーのブログです。

第25回精神保健福祉士合格体験記 第2回(受験の手引きを読み込む)

 社会福祉士受験のときも感じたのですが,福祉系資格の受験生の多くは,自分が受験しようとする試験について何も知らないまま受験勉強をしているように思われます。その結果,誤ったゴールを設定したり,ゴールまでの誤ったルートを設定して受験勉強をされている受験生も少なくないように思われます。精神保健福祉士専門科目受験生についても同様です。

 それでは,自分が受験しようとする試験について知るにはどうすればよいのか。その答えは,「受験の手引き」を読み込むことだと思います。受験の手引きは,これから受験しようとする試験に関する情報の宝庫です。また,試験のルールブックでもあります。ルールを知らずしてゲームに勝つことはできません。私は,マーカーを引き,付せんを貼りながら,受験の手引きを何度も読み込みました。

 多くの受験生は,出願手続のみにしか目を通しませんが(出願手続さえ読まない豪傑受験生も少なくありませんが・・・),より重要であるのは試験の概要です。私は,試験日,試験の開始時間・終了時間,試験会場,試験科目などをチェックして,戦略的に受験勉強スケジュールを組みました。

 とりわけ重要なのは,合格基準です。第25回精神保健福祉士国家試験の場合,合格基準は以下の通りです。

次の2つの条件を満たした方を合格者とします。


(1) 問題の総得点の60%程度を基準として,問題の難易度で補正した点数以上の方
(2)(1)を満たした方のうち,以下の16科目群(ただし,(注)2に該当する方にあっては5科目群)の各科目群すべてにおいて得点があった方。

 直近の合格ボーダー点をゴールに設定して受験勉強をしている受験生が大半だと思いますが,間違いではないけれども好ましくないと思います。60%得点,補正を考慮して受験者上位65%に入る,かつ0点科目を作らないと,より正確にゴール設定をしたほうが良いと思います。そうすれば,たとえば第34回社会福祉士国家試験のように,合格点105点になったからといって大騒ぎする必要はなくなると思います。

第25回精神保健福祉士合格体験記 第1回(合格体験記の読み方)

1 42歳で社会福祉士に合格。45歳で精神保健福祉士に合格

 42歳で2020年2月の第32回社会福祉士国家試験に合格してから3年,45歳にして第25回精神保健福祉士国家試験に合格しました。

 3年前にはてなブログに書いて放置している文字情報だけの何の面白味もない社会福祉士合格体験記の記事が,3年が経過した今でも意外と多くの方に読んでいただいていることや,精神保健福祉士専門科目受験生に関する情報がほとんどないことから,社会福祉士合格時に書いた合格体験記を修正する形で,精神保健福祉士の合格体験記を書いてみようと思います。

2 合格体験記の読み方

 なお,合格体験記の読み方については,社会福祉士合格体験記で詳しく書いていますので,よろしければご参照ください。

kinmokusei2007.hatenablog.com

3 この合格体験記を書いている人物

 以下は私,すなわち医療機関に勤務する40代男性の合格体験記です

 医療福祉とは全く畑違いの業界で働いていましたが,30歳代半ばに医療福祉業界に転職。在職のまま40歳で通信制福祉大学に4年次編入し,基礎科目を履修の上,1年間で卒業。そのまま4月に社会福祉士短期養成通信課程に入学し,12月に修了して社会福祉士の受験資格を得ました。そして,年明け2020年2月に行われた第32回社会福祉士国家試験に,初めての受験で,121点(午前共通63点,午後専門58点)で合格することができました。

 その後,現職のまま相談業務に従事しつつ,2022年4月から精神福祉士短期養成通信課程に入学して12月に修了して精神保健福祉士の受験資格を得ました。そして,2023年2月4日に行われた第25回精神保健福祉士国家試験を共通科目免除者として受験し、70点で合格することができました。

 もしお時間があるようでしたら,ご自分の興味があるトピックだけで結構ですので,上記の人物像を念頭に置いた上で,体験記を読み進めてみてください。

 次回以降にお話しする私の精神保健福祉士専門科目の勉強方法は,社会福祉士国家試験対策テキスト・講座を使用するというかなり特殊なものです。「自分にもあてはまる」「自分にとって有益」と思った部分だけを切り取って,参考にしてください。



第32回社会福祉士合格体験記 第14回(最終回)

 特にお伝えしたかったことは,1.「受験」勉強を徹底的にやった2.勉強対象を絞り込んで徹底的に繰り返した,の2点になります。結果として,121点(午前共通63点,午後専門58点)で合格することができました。

 第32回社会福祉士国家試験終了後の各社講評では,今年度は試験委員の大幅な入れ替えにより傾向が変わったと論じるものが少なくありませんでした。しかし,第32回社会福祉士国家試験は,昨年度第31回社会福祉士国家試験と傾向も難易度も変わっていない,というのが私の感想です。

 たしかに,今まで見たこともない知識を問う問題や最新動向を問う問題も多く出題されました。しかし,このような未知・最新の問題は,他の受験生も正答することはできません。

 合否を分けるのは,このような未知・最新の問題ではなく,過去の社会福祉士国家試験で何度も出題されている基礎知識を問う問題だと思います。何度も出題され手垢のついた基礎知識を正確に理解・記憶しているか否かが,合否を分けると考えます。最新知識・些末な知識を求めていたずらに勉強範囲を広げるのではなく,基礎知識を正確に理解・記憶するための受験勉強を愚直に繰り返すことが合格への近道だと思います。

 もっとも,これはあくまで私の意見であって,受験生全てに当てはまるわけではありません。第1回でも述べましたが,「自分にもあてはまる」「自分にとって有益」と思った部分だけを切り取って,参考にしていただけますと幸いです。

 最後になりましたが,皆さまのご健闘をお祈りいたします。

第32回社会福祉士合格体験記 第13回(本試験当日)

 試験前日までに準備できることは全てやったという自負もあり,本試験当日は,これまで行ってきたことを淡々と実行しただけでした。

1 試験説明開始時刻直前まで勉強した

 本試験当日は,短期養成校のスクーリングでご一緒した方の何名かとお会いしました。しかし,「おはようございます。今日はがんばりましょうね。」とだけ挨拶をして,あとは会話には加わらず(いくら試験合格のためとはいえ,不義理で申し訳ないことをしたと思います。この場をお借りしてお詫びいたします),この時間でもう1点積み上げると気負いながら,試験説明開始時刻直前まで受験対策テキストを開いて勉強をしました。

 これまで何百回と繰り返して馴染んだ受験対策テキストを開いて勉強していると,自宅で勉強しているような感じがして,とても落ち着きました。

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2 終わった午前試験のことは一切考えなかった

 お昼休みには午前試験の出来・不出来の感想を話さないのが受験マナーだと思います。しかし,午前の共通科目試験の終了後のお昼休みには,午前試験の感想について会話する受験生が少なくありませんでした。

 私は,終わった午前試験のこと考えても全く意味がないと思い,この時間でもう1点積み上げると気負いながら,事前に買っておいた昼食をとりつつ, 試験説明開始時刻直前まで受験対策テキストを開いて午後の専門試験の勉強をしました。

3 1点でも多く「もぎ取る」

 本試験時間中は,各社模擬試験でこれまで行ってきたのと同様に,もう1点取れないか・マークミスはないかと最後の1秒まで悪あがきをしました。

 午後専門科目の終盤,就労支援に差し掛かると,さすがに疲れから集中力低下がみられました。しかし,「あとたった8問で受験生活が終わる」と考えて何とか凌ぎました。「あと8問だけ」と考えて解くのと「まだ8問もある」と考えて解くのでは,心持ちの小さな違いではありますが,得点に少なからず影響するのではないかと思います。

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第32回社会福祉士合格体験記 第12回(直前期の過ごし方)

 12月から2月の直前期は、新しい事項には手を出さず,これまでやったことの精度を上げることだけに注力しました。

1 新しい事項には決して手を出さなかった

 社会福祉士国家試験では,99パーセントの理解・記憶では1点には結び付きません。100パーセントの理解・記憶が求められます。比喩的に言うと,合格のための武器となるのは,10,000個の曖昧な知識ではなく,100個の正確な知識です。

 そこで,各社模擬試験が終わる12月から試験当日までは,新しい事項には決して手を出さず,これまで勉強した基礎知識の理解・記憶を100パーセントの精度に引き上げることだけに注力しました。

 たとえば,「統計・白書・時事問題等の最新の動向については,新聞などで常に把握しておくように」と合格者・指導者は口を揃えて言います。全くもって正論だと思います。しかし,普通の社会人受験生が統計・白書・時事問題等の最新の動向まで把握するのは,現実的には不可能だと思います。

 そこで白書・統計・時事問題等については,受験対策テキストに掲載されている基礎知識(たとえば,第32回共通44問の民生費、共通50問の社会保障給付費は,基本中の基本問題であり,絶対に落としてはいけない問題です)のみに勉強対象を絞り込んで繰り返すこととし,それ以外は思い切って勉強対象から除外しました。

2 事前に準備できることは全て事前に準備した

 本試験当日は本試験問題を解くこと以外に無駄なエネルギーを使いたくなかったので,事前に準備できることは全て事前に準備しました。

 たとえば,本試験日の2週間前に,本試験と同じ時刻に,試験当日と同じ交通手段で,試験会場へ実際に行き,下見を行いました。自宅から本試験会場までの交通状況,交通トラブルがあったときに備えての複数の交通手段の検証,試験会場の位置確認,試験会場周辺の静寂さ,試験会場周辺の駐車場の位置,コンビニの有無・場所など,不動産物件を内覧するような感覚で確認を行いました。

 また,たとえば,試験に関して少しでも疑問がある点は,インターネットで調べたり友人に聞いたりしてお茶を濁すのではなく,試験実施の権限を有する試験センター試験室に対して電話で問い合わせをして確認しました。カレンダー機能が付いた時計を試験中に使用してもよいかなど,かなり細かい事項に関しても実際に試験センター試験室に対して電話問い合わせをして確認し,疑問点を払拭しました。

3 体調管理に神経質すぎるほど気を遣った

 試験直前の2か月間は,体調管理に特に気を遣いました。

 具体的には,インフルエンザ予防のためうがい手洗いを徹底する,人込みにはいかない,生ものは食べない,飲み会などはすべて断る,睡眠時間を決して削らないなど神経質すぎるほどに体調管理を行いました。

 

第32回社会福祉士合格体験記 第11回(スランプ、「1点の重み」のもう一つの意味、忘却との闘い)

1 「1点の重みの」のもう一つの意味

 社会福祉士国家試験の受験界では,「1点の重み」という言葉が使われます。合格点ボーダー上には1点につき数百人の受験生がひしめき合っているため,決して1点をおろそかにしてはいけないという意味で使用されています。

 しかし,受験勉強が佳境に入り点数が伸び悩むようになり,「1点の重み」のもう一つの意味を感じるようになりました。すなわち,確実に1点を積み上げるには,ものすごい勉強量が必要であるという意味での「1点の重み」です。

 たとえば,医療福祉分野で働いている方であれば,何も勉強しないで過去問を解いても60点台,場合によっては70点台の得点をすることができると思います。何も勉強しないで60点台が取れたのだから,合格点が例年90点前後だとして,残りの30点を積み上げるのは簡単だろう・・・と思いがちです。

 しかし,この30点が勉強しても勉強しても確実には埋まらないのです。60点台から90点台100点台まで,確実に1点を積み上げるには,多くの労力・時間を要します。勉強しても勉強しても点数が伸びない上,新知識と既存知識とが干渉して混乱し,むしろ点数が下がることさえありました。

 不安と焦燥から新しい教材に手を出す誘惑にかられました。しかし,何とか思いとどまって,現在使用している受験対策テキストを愚直に繰り返すことにしました。合格後の現時点において考えても,当時のこの判断は正しかったと思います。

2 忘却との闘い

 40歳代という年齢から,記憶力の減退に悩まされました。覚える先から次々に忘れていき,無力感にさいなまれました。悩み抜いた挙句,懐かしの学習器「キオークマン」に手を出して失敗したりしました(私には効果はなかったです・・・)。

 そこで,忘却への対策として,まずは,記憶対象を絞り込みできる限り少なくすることにしました(それでもかなりの量ではあります)。次に,覚えやすい形に知識を加工することにしました。

 もっとも,幸いにもこの二つの作業は,各社受験対策テキスト作成者が既にやってくれています。市販されている受験対策テキストを購入して利用すればよく,自分で記憶対象を取捨選択したり,覚えやすいように表などを作ったりする必要は全くありません。

 あとは自分が記憶するだけです。10回記憶して忘れたら11回記憶すればいい。100回記憶して忘れたら101回記憶すればいい。1000回記憶して忘れたら1001回記憶すればいい。ただそれだけのことだと考え,ひたすら記憶しました。

 

第32回社会福祉士合格体験記 第10回(各社模擬試験の感想)

今回は、私が受験した第32回社会福祉士国家試験向け各社模擬試験についてお話しします。

1 東京アカデミー

 東京アカデミーが実施する模擬試験です。9月下旬と各社模擬試験の中でも早い時期に実施されます。早い時期に実施されることもあってか,基本的な問題が大半を占めていました。関連問題が本試験で比較的多く出題されていました。受験者数は,9月下旬時点で883名でした。各社の模擬試験の中で,受験料が最も安価です。

 しかし,受験料が安価な反面,解説冊子の解説内容が簡素すぎる,統計などの最新データが解説に反映されていない,問題冊子がB5サイズである(本試験はA4サイズです),マークシート形式が本試験とは違うといった欠点もありました。

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2 社会福祉士会(テコム福祉教育カレッジ)

 都道府県社会福祉士会が実施する模擬試験です。実施者・申込窓口が異なりますがテコム福祉教育カレッジ模擬試験と同一のものです。重複申込にはご注意ください。実施時期は各都道府県社会福祉士会によって異なりますが,私が受験した県社会福祉士会では,10月下旬に実施されました。受験者数は,10月下旬時点で1,712名でした。

 例年本試験に近いと評判の模擬試験ですが,今年度も本試験に近い問題でした。各社模擬試験の中では唯一,解説冊子に問題が解説と同じページに掲載されており,復習がしやすかったです。

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3 ソ教連

 日本ソーシャルワーク教育学校連盟(略称「ソ教連」)加盟校において実施される模擬試験です。受験者数は,11月上旬時点で7,502名でした。母校がソ教連加盟校でない,または加盟していても模擬試験を実施していない場合は,中央法規出版が一般受験生の申込窓口になっており,ここを通して受験することができます。

 例年難しすぎると評判の模擬試験ですが,今年度に関しては,問題・構成・難易度のいずれも適切で,各社模擬試験の中で最も本試験に近いように私には感じられました。関連問題が本試験で比較的多く出題されていました。

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4 中央法規

 中央法規が実施する模擬試験です。受験者数は,12月中旬時点で6,065名でした。

例年最も本試験に近いと高評価の模擬試験ですが,今年度に関しては本試験に比べても異常に難しかったです。

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5 日総研

 日総研が実施する模擬試験です。例年的中に重点を置いて問題が作成・選定されているため,基本問題よりは応用的問題が多い模擬試験です。

 今年度に関しては,仕事の都合上日程が合わず,受験申込みをキャンセルして私は受験していないため,感想は控えさせていただきます。

第32回社会福祉士合格体験記 第9回(模擬試験の受け方と復習方法)

1 模擬試験の受け方

 今回は模擬試験の受け方についてお話します。

 各社の模擬試験が実施される9月下旬から12月上旬にかけては,模擬試験を受けながら,弱点の把握と補強とに努めました。

2 あくまで会場受験にこだわった

 秋から始まる各社模擬試験は,多少無理をしてでも会場で受験しました。どうしても近隣県の会場受験の日程が合わず,日帰りで大阪や東京で受験したこともありました。また,できる限り多くの模擬試験を受験するようにしました。試験の感覚を掴むとともに,失敗経験と試行錯誤の機会をできる限り多く持ちたかったからです。

 具体的には,9月に東京アカデミーの模擬試験を,10月に社会福祉士会の模擬試験を,11月に日本ソーシャルワーク教育学校連盟(略称「ソ教連」)の模擬試験を,12月に中央法規の模擬試験を受けました。なお,日総研の模擬試験は一旦申し込みをしましたが,仕事の関係上いずれの日程・会場も受験不可能となったため,申し込みをキャンセルしました。

 ソ教連の模擬試験当日には,トラブルも経験しました。模擬試験会場は大阪駅から東に徒歩10分の場所に位置するビルのはずでした。しかし,付近に到着しても,それらしきビルは見当たりません。やむを得ずGoogleマップで確認すると,目的地まで「徒歩2時間!?」でした。受験票の模擬試験会場地図を見直すと,「新」大阪駅から徒歩10分でした。関東地方での生活が長かったこともあり関西の土地勘が全くなく,大阪駅新大阪駅とが別の駅ということを知りませんでした。いつも新幹線で通り過ぎるだけでしたし・・・。急いでタクシーを拾って模擬試験会場に急行し,到着したのが模擬試験説明開始時刻の2分前。本試験前の予行演習での失敗という意味で,良い経験となりました。

3 模擬試験の受験当日

 模擬試験受験当日は,途中退室する受験生が少なくない中,どんなに出来が悪くとも途中退室せず,もう1点取れないか・マークミスはないかと最後の1秒まで悪あがきをしました。模擬試験で試験終了時間まで粘れなければ,本試験で粘れるわけがないと考えたからです。

4 超難関マークシート

 また,マークに関しては特に注意して,マークの練習を意識的に行いました。本試験のマークシートを実際にご覧ください。科目ごとに区切りがあるわけでなく,5問10問ごとに区切りがあるわけでもなく,縦長2列のマーク欄がただ無機質に配置印刷されているだけです。マークシート問題番号も午前共通科目は83まで,午後専門科目は84からはじまるという複雑さです。これに加えて「2つ選べ」の問題が随所に挿入されます。マークミスをしてはいけないと簡単に言いますが,このような超難関マークシートでは,むしろマークミスをしない方が難しいと思います。

 そこで,試行錯誤を繰り返しつつ,マークミス対策には徹底して取り組みました。たとえば,(1)試験開始直後の一番集中力が高いときに,全ての問題にざっと目を通し,「2つ選べ」の問題文の上に数字の「2」を大きく記入する(最初は「2つ選べ」を丸で囲んでいましたが,見直しの際に問題文に埋もれてしまい見落とすことが少なくなかったため,数字の「2」を大きく記入するようにしました),(2) マークのズレを防ぐため,まずは問題を最後まで解答し,その後にまとめてマークシートに記入する,(3) マークシートに記入する際は,目で見るだけではなく,必ず人差し指で押さえながら記入する(人差し指で押さえながらマークする姿はかなり滑稽で無様ではありますが,マークミス対策としては極めて有効です),(4) マークの見直しをする際には,記入するときとは逆の方向,すなわち集中力の低下する最後の問題から最初の問題にさかのぼるようにし,両手の人差し指で問題冊子とマークシートとを押さえながら見直す,などの工夫を考えて実行しました。

5 模擬試験の復習方法

 模擬試験の復習は,できる限り記憶が鮮明な受験当日に行いました。

 第一に,私が使用していた受験対策テキスト「社会福祉士の合格教科書2020」に掲載されている事項か否かを分水嶺とし,掲載されていない事項は思い切って復習対象から除外しました。
 これに対して,模擬試験で出題され,かつ「社会福祉士の合格教科書2020」にも掲載されている事項については,「社会福祉士の合格教科書2020」に戻って復習し,当該知識を確実に記憶定着させることに努めました。

 第二に,ケアレスミスによる間違いについては,最重要・最優先事項と位置づけ,原因を徹底的に分析した上で,「具体的な」対策を立てました。
 すなわち,間違った問題の内容,問題冊子内での当該問題の位置,試験開始からの経過時間,当該問題の解き方・思考,解答中の心理状態,試験会場の状況にはじまり,模擬試験当日・試験前1週間の体調,心理状態,食事,睡眠時間に至るまで,ケアレスミス1つにつきA4用紙数枚程度に文章として書き出して分析・検討しました。

 その上で,「気をつける」といった抽象的な対策ではなく,たとえば先に述べた「人差し指で押さえながらマークする」のように,「具体的な」対策を考え出して実行し,有効性を検証するようにしました。このような作業を繰り返すことにより,ケアレスミスを少しずつ減らしていきました。

 なお,ケアレスミスに限らず,受験勉強の状況・反省点などは,頭の中だけで考えるのではなく,必ず紙媒体に書き出した上で分析・検討するようにしました。書き出すことによりはじめて,客観的な分析・検討が可能になると考えたからです。

 第三に,模擬試験の成績表が返ってきた後は,全受験者正答率が50パーセントを超えているにもかかわらず,私は間違ってしまった問題をピックアップして復習しました。

 他の受験生ができないものについては,私ができなくとも全く問題はありません。しかし,他の受験生ができるにもかかわらず,私ができていない事項は,致命傷になりかねません。そこで,重点的に復習をしました。

 第四に,模擬試験を受験して判明した得点が極めて低い弱点科目については本試験当日までの勉強時間を他の科目の2倍に増やして取り組みました。0点科目による不合格という最悪の事態を絶対に避けるためです。

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第32回社会福祉士合格体験記 第8回(受講した受験対策講座その2)

 今回は,受講した社会福祉士受験対策講座の紹介の2回目です。

 なお,社会福祉士受験対策講座については,社会福祉士国家試験に大学の命運を賭けている日本福祉大学のNFUライセンススクール(日本福祉大学ライセンススクール)のウェブサイトに受験界の著名な講座が網羅されています。講座情報が集約されていて便利ですので,よろしければご参照ください。

nfuls.nfu.co.jp

 

1 「第31回国家試験全問解説CD 共通科目」を受講する

 過去問の使い方や,問題演習の取り組み方について不安があったため,飯塚慶子講師の「第31回国家試験全問解説CD 共通科目」を購入の上,視聴しました。

keikoiizuka.com

 以前に紹介したテコム福祉教育カレッジ「合格必勝web講座」が,ゼロから合格レベルまでの知識を習得する基礎講座であるのに対して,こちらの講座は,問題演習を中心とした応用講座です。なお,飯塚慶子講師が独自に販売する各CD講座は,いずれも応用的な内容となっています。ゼロからはじめる受験生にとってはハードルが高く,かつ網羅性にも欠けますのでご注意ください。

2 2種類の「受験テクニック」

 社会福祉士国家試験の受験界で「受験テクニック」と呼ばれているものには2種類あるように思われます。

 第一に,たとえば「断定の選択肢は誤り」というような小手先テクニックです。これらについては,知らないよりは知っていたほうが多少は良いかもしれませんが,あえて勉強する必要はないと思います。

 これに対して第二に,たとえば過去問の使い方やその周辺知識の確認方法,復習の方法,本試験での思考方法・解き方など,受験勉強の本質にかかわるテクニックです。第31回国家試験全問解説CDでは,後者の受験の本質的なテクニックを学ぶことができ,私にとっては有益でした。

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3 「冬の直前対策講座」を受講する

 これまで独りで受験勉強をしていたことから,勉強方法がずれているのではないかとの心配がありました。そこで,NFUライセンススクール(日本福祉大学ライセンススクール)主催の「冬の直前対策講座(飯塚慶子講師)」を受講しました。

 11月下旬の土日2日間,会場の明治安田生命名古屋ビルまで,新幹線乗って行き泊りがけで受講しました。

 新幹線が遅れ,会場に到着したのが講座開始の5分前。空いている席は最前列しか残っておらず,最前列の飯塚慶子講師の直前の席で受講しました。

 結構まじめに受験勉強していたこともあり,「私以上に勉強している受験生はあまりいないだろうな。ふふん。」などと,うぬぼれたことを考えていました。ところが,周りの受験生を見回すと,私以上にたくさんの付せんや書き込みをし,ボロボロに使い込んだ最新年度版の受験対策テキストを使用されている方ばかりでした。自らの慢心を戒め,気を引き締めるよい機会となりました。また,時事問題,法改正,数字の更新などの勉強もでき,充実した講座でした。

 

第32回社会福祉士合格体験記 第7回(受講した受験対策講座その1)

 今回は,受講した社会福祉士受験対策講座の紹介の1回目です。

 社会福祉士国家試験は,一部の秀才を除き,養成校カリキュラムの勉強をしているだけでは合格することはできません。養成校カリキュラムの勉強に加えて、別途、国家試験対策の勉強をする必要があります。以下では,国家試験対策に不可欠な国家試験対策講座についてお話します。

 なお,社会福祉士受験対策講座については,社会福祉士国家試験に大学の命運を賭けている日本福祉大学のNFUライセンススクール(日本福祉大学ライセンススクール)のウェブサイトに受験界の著名な講座が網羅されています。講座情報が集約されていて便利ですので,よろしければご参照ください。

nfuls.nfu.co.jp

 

 私は,社会福祉士短期養成校入学直前の1年間,通信制福祉大学4年次生として在籍していました。しかし,悪い意味で要領よく単位を取得して卒業してしまったため,短期養成校入学時点では,福祉に関する知識は,恥ずかしながらほとんどゼロに近い状態でした。

 そこで,ゼロから基礎知識を習得する必要があり,テコム福祉教育カレッジの飯塚慶子講師担当「合格必勝web講座」を受講しました。6月上旬より受講を開始して,7月上旬までには一通り視聴を終らせました。その後も,このweb講座は試験直前期まで何十回と繰り返し視聴しました。その結果,コアとなる基礎知識の確立に役立ちました。

 

 数多くある社会福祉士国家試験対策講座から,テコム福祉教育カレッジの「合格必勝web講座」を選択した理由は,以下の4点です。

 第一に,仕事との兼ね合い上,通学が不可能だったため通信である必要がありました。また,紙媒体のみの通信講座では理解できる自信が全くなかったので,講義映像のある講座を選びました。

 第二に,ゼロから始めて合格レベルの知識まで一通りの知識を講義で扱うことです。社会福祉士国家試験対策講座は数多くありますが,知識ゼロからはじめるいわゆる「基礎講座」は意外と少ないです。その少ない講座の中で,映像講義の通信を選ぶと,テコム福祉教育カレッジの講座になりました。

 なお,基礎講座として,日本ソーシャルワーク教育学校連盟(略称「ソ教連」)が無料講義を配信しています。私も実際に一部視聴してみましたが,科目担当講師にもよりますが私にとっては有益な内容ではなかったので,視聴することは止めました。

 第三に,担当講師が飯塚慶子講師であったことです。社会福祉士国家試験の受験勉強を始めるにあたり,たくさんの講師の評判に目を通し,かつ,できる限り実際に体験受講してみました。その結果,私には飯塚慶子講師が一番わかりやすく感じたので,受講するのであれば飯塚慶子講師の講座と考えていました。テコム福祉教育カレッジの合格必勝web講座の担当講師は年度ごとに変わるようですが,私が受験した年度は,幸運にも飯塚慶子講師が担当でした。そこで,テコム福祉教育カレッジの合格必勝web講座を受講することにしました。

 第四に,先に示した,私が受験対策テキストとして選んだ「社会福祉士の合格教科書2020」を講義テキストとして使用することです。「社会福祉士の合格教科書2020」に線引き・書き込みをしながら講義が進むため,1冊のテキストに情報の一元化をすることができ,本試験当日まで他のテキストに手を出さずに済みました。

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 社会福祉士受験界は中学・高校・大学受験界やビジネス英語受験界に比べて未発達で,社会福祉士国家試験対策講座には酷い内容のものも少なくありません。また,良い講師もほとんどいないというのが私の正直な感想です。受験者総数4万人程度の小さなマーケットですから,ビジネスとして成り立たない・良いサービスが生まれないというのは仕方がないのかもしれません。そのような中で,唯一水準に達しており他人にもお勧めできるのが飯塚慶子講師かなと思います。ただ,講師との相性もありますので,YouTubeのダイジェスト映像などを試聴してみてください。