40代からの社会福祉士・精神保健福祉士合格

40歳で勉強を始めて、42歳で社会福祉士・45歳で精神保健福祉士に合格した医療ソーシャルワーカーのブログです。

第32回社会福祉士合格体験記 第6回(問題集選びと問題集の使い方)

1 問題集選び

 問題集は,「社会福祉士国試対策過去問題集2020共通科目編」(テコム福祉教育カレッジ) ,「社会福祉士国試対策過去問題集2020専門科目編」(テコム福祉教育カレッジ),を選択しました。

 これらを選択した理由は,私が使用していた受験対策テキスト「社会福祉士の合格教科書2020」とのリンクが充実しており,かつ,年度別ではなく項目別で問題が掲載されているからです。

 ただ,上記過去問題集には,解説が極めて薄い,白黒印刷,問題が1ページに複数・あるいは複数ページにまたいで掲載されており視覚的に非常にわかりづらい,などの欠点が多くみられます。

 合格後の現時点において考えると,仮にもう一度受験することになれば,解説が充実し,2色刷りで,1ページ1問掲載で視覚的にもわかりやすく,最も多くの受験生が使用している「社会福祉士国家試験過去問解説集2020」(中央法規出版)を選択すると思います。

 なお,過去問題集の他にも,各社から模擬試験問題集,一問一答問題集,予想模擬試験が市販されています。たとえば,「社会福祉士国家試験模擬問題2020」(中央法規出版)のように一定の評価を得ているものもあります。

 しかし,これらの問題集や予想模擬試験を解くことで身につく力は,本試験で求められている力とは何か違う感じがしたので(曖昧な表現で申し訳ありません),勉強対象から除外し使用しませんでした。

2 問題集の使い方

 私は,過去問題集を,演習目的ではなく,私が使用していた受験対策テキスト「社会福祉士の合格教科書2020」(テコム福祉教育カレッジ)で理解・記憶したことの確認を目的として使用しました。

 理解・記憶の確認が目的であるため,1回解いただけで理解・記憶できた問題は,再び解くことはしませんでした。これに対して,解けなかった問題は,確実に解くことができるようになるまで何十回と繰り返して解きました。これとは別に,直近第31回過去問については,全体の傾向を把握し体に覚えさせるために,何十回と繰り返して解きました。

 なお,「過去問を何年分・何回解けばよいか」という漠然とした質問をする受験生が少なくありません。しかし,このような漠然とした質問を何も考えずにしている間は,合格することは難しいと思います。過去問を解く回数一つとっても,科目ごとに異なりますし,解く目的によって異なりますし,さらには各受験生の現在の力量によっても異なります。これら違いや目的を意識し,考えた上でより具体的に質問できるようになれば,合格がぐっと近づくと思います。

第32回社会福祉士合格体験記 第5回(受験対策テキスト選び)

1 受験対策テキスト選び

 今回は受験対策テキストについてお話します。

 「本が1冊増えると,合格が1年延びる」という古くからの受験格言があります。この格言にならい,使用する受験対策テキストは考えに考えた上で,絞りに絞り込んで「社会福祉士の合格教科書2020」(飯塚慶子著,テコム福祉教育カレッジ)1冊のみとしました。そして,この1冊を,本試験当日の試験説明開始時刻直前まで何百回と繰り返しました。

 「社会福祉士の合格教科書2020」を受験対策テキストとして選択した理由は以下のとおりです。

 まず,全国の養成校学生が皆持っているであろう「新・社会福祉士養成講座シリーズ」(中央法規出版)は,その分量から受験対策テキストとしては論外と考え,除外しました。

 次に,最も多くの受験生が使用している「受験ワークブック2020」(中央法規出版)は,共通科目・専門科目の2冊を合わせるとかなりの分量であり,分量が多すぎて私には無理と考え,除外しました。

 さらに,「社会福祉士国家試験のためのレビューブック2020」(医療情報科学研究所)も,内容は素晴らしいものの,これもかなりの分量であり,分量が多すぎて私には無理と考え,除外しました。

 最後に,受験生に人気の「見て覚える!社会福祉士国試ナビ2020」(いとう総研資格取得支援センター編)も検討しました。しかし,あくまでまとめノートであり初学者の私には不向きなこと,情報量が多すぎること,などの欠点が多く目についたこともあり除外しました

 結局のところ,「社会福祉士の合格教科書2020」が分量的にも内容的にも私にとってはベストだったので,この1冊に絞り込みました。

2 「社会福祉士の合格教科書」に対する批判について

 たしかに,「社会福祉士の合格教科書」は他のテキストに比べれば分量が少なく,他のテキストには掲載されているけれども本書には掲載されていない事項が多くあります。この点をもって,「本書はけしからん」とする批判があります。
 しかし,「試験合格」のためであれば本書に掲載されている内容で十分です。本書も試験に必要な知識に絞り込んでいるとはいえ,かなりの分量があります。多くの受験生は,本書に掲載されている程度の内容ですら,理解していない・記憶していないというのが実情です。

 また,試験合格だけを目的にしているテキストであって「全くもってけしからん」とする批判があります。たしかに,社会福祉士として実務を担うには本書の内容だけでは不十分で,合格後には学問的勉強や実務的勉強をする必要があります。
 しかし,これらの勉強は,受験生に「現在」必要な勉強ではありません。例えるならば,算数のテストを受けようとしている小学生に対して高等数学の勉強を強いるようなもので,教育の知見を全く欠いた的外れの批判であると思います。まずは本書に掲載されているレベルの基礎知識をしっかり学ぶことがよろしいかと思います。

 合格後の現時点において考えても,仮にもう一度受験することになれば,やはり私は本書を選択すると思います。

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第32回社会福祉士合格体験記 第4回(秋までの勉強と受験勉強にあたって注意した点)

1 秋までに基礎知識習得を一通り終わらせる

 今回は秋までの勉強と,受験勉強にあたって特に留意したことをお話しします。

 各社の模擬試験が始まる9月までに,基礎知識の習得と過去問検討とを一通り終えました。

 基礎知識の習得ができていなければ,模擬試験において,取り組むべき問題か飛ばすべき問題かの判断をすることはできません。その結果,当然のことながら時間配分の練習をすることができません。また,自分の弱点がどこにあるかも把握することができません。

 そこで,各社の模擬試験をマイルストーンと位置づけ,各社の模擬試験が始まる時期までに,基礎知識の習得・過去問検討を終えるように受験勉強を進めました。結果として,各社の模擬試験がはじまる9月までには,基礎知識の習得を一通り終えることができ,かつ,過去問検討も終えることができました。

 なお,万が一,模擬試験が始まる時期までに全く勉強ができていない場合であっても,模擬試験は必ず受けようと決めていました。全く手が出ない場合であっても,途中退出はせず,試験終了時間までじっと座って自分の不甲斐なさを思い知る。そのような惨めな体験を経てはじめて,その後の合格への勉強が可能になるのではないかと考えたからです。

2 受験勉強にあたって特に注意したこと

 受験勉強をするにあたって特に留意した点は,次の2点です。

 

(1)「受験」勉強を徹底的にやる

 「今やっていることは1点に結びつくか」を常に意識して,「受験」勉強を徹底的にすることにしました。

 「学術的」勉強や「実務的」勉強をしていたのでは,知的好奇心は満たされるかもしれませんが,合格することはできません。また,調べる・まとめる・作るといった「作業」は,勉強ですらなく,当然のことながら合格することはできません。そこで,これらは徹底的に排除することにしました。

 受験勉強は,基礎知識の正確な理解・記憶の繰り返しであり,退屈で忍耐力を要する行為です。できることならやりたくはない行為です。また,受験勉強を蔑視・嘲笑する日本独自の風潮もあり,ともすれば軽視しがちです。

 しかし,このような退屈で忍耐力を要する受験勉強を通じてはじめて,社会福祉士国家試験に合格することができるのみならず,確固とした基礎が出来上がり,その後の実務的・学術的勉強の学習効率が飛躍的に向上すると思いました。そこで,まずは「受験」勉強に徹底的に取り組むことにしました。

(2) 勉強対象を絞り込んで徹底的に繰り返す

 勉強対象を絞り込んで徹底的に繰り返すことにしました。

 社会福祉士国家試験の試験範囲は広大です。これに対して,仕事と両立しながらの社会人受験生は,割くことができる労力・時間には限りがあります。勉強対象を広げていたのでは,おそらく一生かけても合格することはできません。

 そこで,勉強対象を,社会福祉士国家試験で過去に何度も出題されている基礎知識に絞り込み,これを繰り返すことにしました。具体的には,これまでの過去問の集大成といえる受験対策テキスト1冊,過去問題集2分冊の合計3冊に勉強対象を絞り込み,これを徹底的に繰り返しました。

 受験勉強をしていると,講師、SNS、勉強仲間などから,「コレもやったほうがいいよ」というアドバイスを数多く受けると思います。しかし,「やったほうがいいこと」ではなく,「やらなければいけないこと」をやってください。「やたほうがいいこと」をやり始めると、時間がいくらあっても足りません。絶対にやらないでください。

第32回社会福祉士合格体験記 第3回(養成校カリキュラムの勉強と受験勉強との兼ね合い)

1 レポートが多くて受験勉強ができない?

 今回は養成校カリキュラムの勉強と、受験勉強との兼ね合いについてお話します。

 多くの受験生を悩ますのは,養成校カリキュラムの勉強と,受験勉強との兼ね合いではないかと思います。お叱りを受けるのを覚悟で正直に申し上げますと,この点について私は,養成校カリキュラムの勉強は要領よく最小限の労力・時間で終わらせ,これによって生じた余力・時間をすべて受験勉強に投下するという戦略をとりました。

 たとえば,課題レポートについては,(1)できる限り簡単な課題を選ぶ(一般に「まとめなさい」「述べなさい」「論じなさい」の順で難易度が高くなります。「まとめる」のが一番簡単です),(2)調べる文献は指定テキストである「新・社会福祉士養成講座シリーズ」のみとして他の文献には決して手を広げない,というルールを自らに課した上で,入学2か月後の5月末までには全課題レポートを仕上げ,以降は受験勉強に専念しました。

2 養成校カリキュラムの勉強は有意義だけど・・・

 たしかに,養成校カリキュラムの勉強にしっかりと取り組むことは有意義だと思います。しかし,仕事との兼ね合い上,時間が圧倒的に足りなかったため,社会福祉士国家試験に初回受験で「確実に」合格するためには,養成校カリキュラムの勉強に割く労力・時間を圧縮せざるを得ませんでした。ご批判は甘んじてお受けいたします。

 

第32回社会福祉士合格体験記 第2回(受験勉強を始めた時期)

1 秋から受験勉強を始めて間に合うの?

 今回は私が受験勉強を始めた時期についてお話します。

 私が社会福祉士国家試験の受験勉強を始めたのは,入学から2か月を経た6月上旬,各スクールの受験対策講座が始まった時期です。

 インターネットで合格体験記を検索すると,検索上位には,「秋から受験勉強を始めて合格することができた」「過去問を3回まわして合格することができた」という内容の記事が多く並びます。社会福祉士国家試験の受験界には,秋から受験勉強をはじめて,過去問を3回程度繰り返したら合格できるという通念が存在するようです。これらの情報に触れることにより,私も当初は,秋から本格的に始めれば十分間に合うという心持ちでいました。

2 直近の本試験過去問を解いてみて愕然とする

 しかし,社会福祉士短期養成校入学直前の3月に,直近第31回社会福祉士国家試験の本試験過去問を解いてみて,あまりの出来の悪さに愕然としました。少なくとも私にとってこの試験は,秋から受験勉強を始めたのでは合格することはできない,できる限り早い時期に受験勉強を開始する必要があるという危機感を持ちました。結果として,6月上旬には受験勉強を始めることになりました。

3 凡人は4月から受験勉強を始めるのがよいと思います

 たしかに,秋から勉強を始めて合格する方はいらっしゃいます。過去問を3回程度解いただけで合格する方もいらっしゃいます。しかし,実際のところ,そのような合格者は少数派です。合格者の多くは4月から受験勉強を始めているのが現実です。

 秋から受験勉強を始めて合格することも不可能ではないと思います。ただ,それをなすには,何らかのプラスアルファ要素,たとえば,明晰な頭脳,余裕のある十分な時間,仕事などを通じて積み重ねた福祉の知見,幸運などが必要だと思います。これらのいずれをも持たない私のような凡人社会人受験生は,初回受験で「確実に」合格したいのであれば,できれば4月から,遅くとも6月までには受験勉強を始めるのがよろしいかと存じます。

第32回社会福祉士合格体験記 第1回(合格体験記の読み方)

1 合格体験記を読むと混乱しませんか?

 はじめに合格体験記について,注意を喚起したいと思います。皆さまはこれから,たくさんの合格者の体験記を目にすると思います。また,合格者や指導者から,たくさんのアドバイスを受けると思います。

 しかし,他の資格試験などと比べて,社会福祉士国家試験の合格体験記やアドバイスには,共通点が少ないという特殊性があります。全く正反対のことが書かれていたり,全く正反対のアドバイスを受けることも多く,混乱することが少なくないと思います。

 その背景としては,他の資格試験などに比べて,社会福祉士国家試験の受験生の立場が多様であるからではないかと推測します。たとえば,受験生の職業だけを考えても,学生,医療福祉関係職,その他の職業などと多様です。すなわち,「合格」というゴールは同じでも,各受験生の現在の立場は様々です。「合格」と「受験生の現在の立場」とをつなぐベクトルが正しい合格勉強法だとすると,「受験生の現在の立場」が各人で全く異なる以上,正しい合格勉強法も受験生ごとに当然ながら全く異なったものになります。

 ですから,皆さまが合格体験記に目を通すときは,その体験記を書いた合格者がどのような立場にあった人かを意識して,その体験記に書かれた勉強法が自分にもあてはまるかを常に考えて読むようにしてください。

 また,合格者や指導者からアドバイスを受ける際にも,どのような立場の受験生に対するアドバイスなのかを意識して,自分にもあてはまるかを常に考えるようにしてください。もし自分で考えてもわからないようでしたら,「どのような立場の受験生に対する(また,どのような時期における)アドバイスなのか?」と合格者や指導者に対して質問してみてください。

 そうすれば,相反する様々な体験記やアドバイスに右往左往して混乱に陥る事態は,避けることができるのではないかと思います。

2 この合格体験記を書いている人物

 さて,前置きが長くなりましたが,以下は私,すなわち医療機関に勤務する40代男性の合格体験記です

 医療福祉とは全く畑違いの業界で働いていましたが,30歳代半ばに医療福祉業界に転職。在職のまま40歳で通信制福祉大学に4年次編入し,基礎科目を履修の上,1年間で卒業。そのまま4月に社会福祉士短期養成通信課程に入学し,12月に修了して受験資格を得ました。そして,年明け2月に行われた第32回社会福祉士国家試験に,初めての受験で,121点(午前共通63点,午後専門58点)で合格することができました。仕事と両立しながらの時間が圧倒的に足りない下での受験生活でした。

 もしお時間があるようでしたら,ご自分の興味があるトピックだけで結構ですので,上記の人物像を念頭に置いた上で,体験記を読み進めてみてください。そして,「自分にもあてはまる」「自分にとって有益」と思った部分だけを切り取って,参考にしてください。